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バリー (犬)
バリー(1800年 - 1814年)は、スイスのサン・ベルナール修道院 (:en:Great St Bernard Hospice) で使役されていた山岳救助犬。現在のセント・バーナードの祖先といえる犬種だが、バリーの体格は現在のスタンダードよりも小型だった。雪深いアルプスで山岳救助犬としてその生涯で40人以上の人命を救ったことにより、もっとも有名なセント・バーナードといわれている。 バリーは救助中の遭難者にオオカミと間違えられて殺されたという噂があるが、これは事実ではない。バリーは救助犬を引退した後はベルンで余生を送り、死後にベルン自然史博物館に引き取られた。現在も剥製として保存されているが、頭部は1923年に当時のセント・バーナードのスタンダードにあわせて修正されている。バリーの物語と名前は多くの文学作品の題材となり、記念碑がパリ近郊の世界最初の動物霊園ともいわれるシムティエール・デ・シヤン (:en:Cimetière des Chiens) に建てられている。サン・ベルナール修道院ではバリーにちなんで、現在でも飼育されている犬にバリーという名前が受け継がれ続けており、2004年にはサン・ベルナール修道院バリー財団 (Foundation Barry du Grand Saint Bernard) が設立され、修道院が中心となって繁殖されるセント・バーナードを管理している。 == 歴史 ==
グラン・サン・ベルナール峠(現在のスイス・イタリア国境)に位置するサン・ベルナール修道院の記録に最初に犬が登場するのは1707年で、「一頭の犬を埋葬した」というシンプルなものである〔Fleischli (2006): p. 16〕。1660年から1670年ごろに番犬として修道院に導入されたと考えられている〔。ベルン自然史博物館が収蔵している古い頭蓋骨から、当時の修道院には少なくとも二種類の犬が飼育されていたとされる。バリーが生まれた1800年には山岳救助犬として特別な犬が修道院で使役されていたことが分かっており〔、一般的には牛飼いの犬と呼ばれていた〔。 現在ベルン自然史博物館に保存されているバリーの体躯は現在のセント・バーナードよりも小型である。現在のセントバーナードの体重が65キログラムから85キログラムであるのに対し、バリーの体重は40キログラムから45キログラムと推測されている。現在のバリーの剥製の体高は約64センチメートルだが、生きていたころの体高はさらに小さかったと考えられる。年代によって数に差異はあるが、バリーは山岳救助犬として40人以上の人命を救助したといわれている。バリーの記録でもっとも有名なものは、凍て付いた洞窟で凍死寸前で眠っていた少年を救助したことである〔。少年の上に覆いかぶさって自身の体温で少年を温めた後、背中に少年を乗せて修道院まで運んだ〔。そして少年は一命を取りとめて両親のもとへ戻ったとされているが〔、少年の母親は少年を襲った雪崩に巻き込まれて死んでいたという説もある。ベルン自然史博物館でもこの伝説の真偽は議論となっているが、動物心理学者のペーター・ケイトリンは著作で次のように述べている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バリー (犬)」の詳細全文を読む
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